アーサナ
「そこのアーサナをこっちに持ってきてください」と、かつてインドのスワーミージ(ヒンドゥー教の僧侶)に言われ、「ヨーガのポーズ=アーサナ」と覚えていた私は、「はて?」と思ったことがあります。スワーミージは、坐るときに下に敷くマットのことを指して「アーサナ」と仰ったのでした。
「アーサナ」を梵和辞典で引いてみると、「坐すること」「端坐の姿勢」「座」「席」「座具」などの意味が出ており、「坐」に関する言葉であることがわかります。
ヨーガの様々な姿勢(ポーズ)も「アーサナ」と呼ばれますが、『ヨーガ・スートラ』を著したパタンジャリによれば、「アーサナ」は本来、「瞑想のための坐法」と考えていたようです。
しかし、「シヴァ大神は84のアーサナをお説きなされた・・・」(『ハタ・プラディーピカー』(1・32)とあるように、『ゲーランダ・サンヒター』や『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』等のハタ・ヨーガのテキストには、坐のための姿勢だけでなく、様々なアーサナが出てきます。今日では、数え切れないほどのアーサナがあるかもしれません。
スワーミー・クヴァラヤーナンダは、こうしたアーサナを大きく3つに分類しています。それは、
(1)瞑想のためのアーサナ
(2)リラックスのためのアーサナ
(3)一般的なアーサナ(鍛錬のためのポーズ)
です。
「アーサナは快適で安定したもの」(『ヨーガ・スートラ』より)であることをふまえ、(1)(2)(3)を適宜組み合わせて実践していくと、「アーサナ」がより一層効果的なものになると感じます。
2007年5月2日
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