文系か理系か
最近、文理融合型の学問や教育が叫ばれています。
高校生3年生のとき、理系コースか文系コースに進む際に選択をせまられ、悩んだ記憶があります。なぜなら、いわゆる文系の科目である国語、社会は嫌いではなく、理系の科目である数学や理科もさほど嫌いではなかったからです(もちろん得意・不得意ありましたが)。とりわけ英語は好きでした。
ところが、家業が薬局を営んでいたこともあり、この道も捨てがたい、と言いますか、なじんでいた環境でもあったので、進んだ母校の東京薬科大学は薬剤師を養成する、いわゆる理系の大学でした。1年次は心理学や倫理など、一般教養科目も学びますが、2年次から分子生物学や有機化学、生化学、薬理学、生薬学など、亀の甲(ベンゼンの六角形の構造式のこと)と格闘する毎日・・・。実験も毎日のように、夜遅くまでやり、すっかり暗くなった「けものみち」をバス停までトボトボと帰る日々・・・。
もともと東京薬科大学(私学の薬学系では日本最古)の女子部は上野にあり、男子部は大久保にありましたが、私が学生の頃はキャンパスは八王子に移っており、勉強するにはとても環境の良いところでした。薬草園があり、遠足に行く幼稚園児が構内を通っていたことも。ちなみに、ドラマのロケ地としてもよく使われています(「白い巨塔」、「ごくせん」等)。
あれから20年(綾小路きみまろのような言いまわしで・・・)、縁あってヨーガを学び、今では人文系の大学院に・・・。歴史や社会学や宗教と格闘!?しています。
ということで、私はどちら型の人間かよくわかりませんが(しかし我が家では、PCやビデオ機器などのコードをつなげるのは唯一私だけ・・・)、今思うのは、文系も理系もどちらの学問も必要である、ということです。一つの学問領域にも文系的な側面、理系的な側面を持っているものもあり、どちらか、と割り切るのは難しいと思います。ただ、早い段階から得意不得意が生じてくるのも現実。得意な分野があれば、それを伸ばしていけばよいと思いますし、専門性を持つことは大切と思います。
「ヨーガ」を理解するためには、解剖生理学、インド哲学、心理学等が必要であることを、カイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所附属ヨーガ大学にて学びました。「ヨーガはアートでありサイエンスである」と度々先生方がおっしゃっていたことを覚えています。「ヨーガ」も文理融合型の学問の一つといえるのではないでしょうか。
2008年9月12日
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