DNAの神秘
先日、小学校の参観週間で、理科の授業を見ました。理科室で、子供達はミョウバンの水溶液を作り、温度の変化によるミョウバンの溶け方を観察していました。皆がテキパキと楽しそうに作業をしている様子を見て、大きく成長しているなぁ、とたのもしく思うとともに、氷水で冷やしたビーカーの中から、溶けていたミョウバンの結晶が出てきたのを見て、私も心の中で「おーっ」と、理科の実験の楽しさを再認識しました。
さて、科学は様々なことを明らかにしてきましたが、2003年には、ヒトのゲノムが解明されました。ゲノムとは、「ある生き物のもつすべての遺伝情報」です。
私達の60兆のひとつひとつの細胞の核の中に、「DNA(デオキシリボ核酸)」があります。DNAは2重らせん構造で、30億の塩基対から構成されています。その塩基とはアデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の4種類で、必ず、AとT、CとGが結合しています。このDNAの一部が遺伝子に相当します。つまり、ゲノムの本体はDNAということになります。この塩基配列はすべて解読され、現在は更なる解析が進められているようです。
ヒト・ゲノムは、5万分の1の長さ(!)に折りたたまれた染色体として、直径数マイクロメートルの小さな核の中に、格納されているということです。
1塩基対をヒト1人に例えると・・・、
1遺伝子は市の人口、
1染色体は日本の人口、
そして細胞2個のゲノム全体は地球全体の人口(2000年に60億人)に相当するほど、DNAはコンパクトに折りたたまれているのです。
このような微細な世界の営みに思いをはせると、改めて、この私達自身の身体は、神秘の宝庫だと感じます。
小学校の教室の壁には、元素周期表や宇宙図等が張ってありました。大人でも十分に楽しめるもので(一家に一枚のキャッチフレーズが・・・)、文部科学省・科学技術週間のサイトから、ダウンロードできます。http://stw.mext.go.jp/
同サイトからヒトゲノムマップもダウンロードできます。
参考文献・サイト
○帯刀益夫・佐竹正延編 『加齢医学 エイジング・ファイン』(東北大学出版会、2007)
○菱沼典子・北村聖 『人体の構造と機能』((財)放送大学教育振興会、2005)
○ゲノムについて、音声付の動画で、わかりやく解説しています。
あっとゲノム(京都大学人文科学研究所)
2009年2月9日
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