さて、こんな暑い季節に適したプラーナーヤーマをご紹介します。以前、「暑い季節のプラーナーヤーマ」として「シートカーリー」について記しましたが、今回は、「シータリー」です。
「シータリー」も「シートカーリー」と同様、口から息を吸って、鼻から息を出します。異なるのは、息を吸うときに、口をすぼめて、舌を丸める点です(舌の両端を上に丸めて、正面から見ると、Uの字のような形にします)。舌を丸めるのが自然に上手に出来る方と、そうでない方といらっしゃるようです(鏡を見ながら、工夫していただければ、と思います)。吸うのと吐くのを5回程、繰り返します。「シータリー」について、『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』(16-7世紀頃)には次のように記述されています。
舌を両唇の外に出し、それを巻いて、イキを吸い、クンバカをなし、両方の鼻孔から心静かにイキを吐く。(2・57)
このシータリーとよばれるクンバカは、脾臓肥大等の疾患、熱病、胆汁異変、飢餓、渇、毒の害をとりのぞく。これも暑気に適す。(2・58)
(佐保田鶴治『ヨーガ根本教典』〈平河出版社〉より)